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山下敦弘監督『オーバー・フェンス』

アマプラで山下敦弘監督『オーバー・フェンス』最後まで見てしまった。公開当時の2016年、シアターキノで見た時よりも沁みた。オダギリジョーが泣き始める場面を覚えていて、全く同じタイミングで涙が出てびっくりした。うっとりするほどカメラが良い。佐藤泰志原作の函館ロケ映画は全部良くて、地方発映画に珍しく街が美しく撮られているわけではないのに、なぜか函館に行きたくなる。かけがえがない。

かつて夫婦として愛した人が、「自分が幸せにすることができなかった」のではなく、「自分が離れたことで元気になっていた」。それは互いの今後の人生のために必要なことのようで、しかし喪失はどれほどのものだろう。

今思いつく限りだけど、人生キツい…と感じる時に見る映画はこの『オーバー・フェンス』と松尾スズキ監督『クワイエットルームへようこそ』。

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