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3KG Exibition『Our Journey as Graphic Designers』


札幌のデザイン事務所3KGの展覧会『Our Journey as Graphic Designers』をインタークロス・クリエイティブ・センター(ICC)にて2023年1月27日から2月26日まで開催します。



札幌に住んでる人は勿論、観光客も一度は目にしたことがあるかもしれない赤い「SAPPORO SMILE」マーク、札幌市営地下鉄のICカード「SAPICA」などなどほんとに色々なお仕事をされてきた3KGさん。

なんですが、いわゆるデザイン事務所というにはちょっと変わった取り組みもされています。それはD&DEPERTMENT HOKKAIDOだったり、庭ビルだったり、庭しんぶんだったりするのですが、真面目に書くとそれらはなんだか「デザイン」という言葉の本質を探すようにやられている気がしています。それはもしかしたら見た目を整える「デザイン」よりも、もっと多くの人に関係がある「デザイン」なのではないかと思うこともあります。そういうものを見せられたら、この施設にとって良いのではないかと。

そんなことを思ったものの、彼らの運営する庭ビルにはちゃんとしたギャラリースペースがあるのでわざわざ他所でやる必要もない。だから断られるだろうなあと思いつつもダメ元で打診したところ、運良くOKをしていただきました。2001年からの活動を3つの時期に分け、代表的なお仕事を展示していただいてます。3KGの公式サイトにも載っていないものが多く、ここでしか見られないものが沢山なので是非会場でご覧ください。

詳しくは公式サイトへ
https://www.icc-jp.com/news/unvcfv0000015mn0.html

ここから昔話が始まります

それはおそらく1995年くらい。学生だった自分は映画館シアターキノが受付ボランティアを募集していることを知り、すぐさまやらせてもらうことにしました。当時のシアターキノは日本一小さい映画館と言われた29席しかない映画館。初めて入る映画館の裏側は、受付スペースは人ひとりがやっと座れる程度で、真横には35mm映写機が2台置かれており一人の映写技師さんが映写機を動かしているという世界でした。

シアターキノ30周年記念ポスター
自分が関わりだしたのは上から4列目くらい

初めて会った映写技師さんと2人きりで、やったこともない受付業務とやらをやることになり、どんなふうにやったか少しも記憶に残ってないのですがなんとか終わらせました。上映中も何かしら作業をしている映写さんすごいなあと思った記憶があります。

その帰り道、映写技師さんとJR札幌駅まで一緒に歩きました。他愛もない話をしながら駅につくと、その人が別れ際「今日で映写最後なんですよ。イギリスに行くんです。受付頑張ってくださいね。」と言って、去っていきました。今日会ってこれから身近になるかと思った人が突然イギリスに旅立つ。

映画館の裏側すげえ、映写技師すげえ、それでイギリス!?みたいな衝撃の1日。それは強烈なインパクトとして記憶に残りました。

数年後、なんの雑誌かテレビかフリーペーパーか忘れましたが、ふと載っている名前が目に止まりました。それは多分あの映写さんの名前。日本に帰ってきてたんだ。とはいえ連絡先ももちろん知らないし向こうはきっと覚えてないだろう。そもそも名前だけではほんとに映写さんかどうかもわからない。そんなふうにぼんやり思っていたら、その人はどんどん活躍の場を増やし名前を目にする機会が増えていきました。「あの映写さんでは?」と思っていたので普通よりチェックしていたかもしれません。

さらに数年後、偶然ご本人に会うことがありご挨拶する中で「映写やってませんでした?」と聞くと「やってました」との返事。やっと答え合わせができました。もちろん向こうは覚えてなかったので、こんなことがあったんですよとお話し、それ以降どこかで偶然会うと軽くお話する程度の関係に。

さらに新型コロナ禍で偶然一緒にプロジェクトをやることになるのですが、それが3KG代表の佐々木信さん。縁というのは不思議なものだなという、そんな思い出話でした。

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