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ポール・バーホーベン監督『ベネデッタ』
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田中絹代監督『乳房よ永遠なれ』
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2月18日(土)に北海道教育大学アーツ&スポーツ文化複合施設HUGにて、北海道教育大学岩見沢校に所属する学生による自主制作映画上映会「岩教大シネマフェスタ」が開催されました。ありがたくも上映される3作品の講評を依頼いただきまして、そうか、”感想座談会”ではなく講評か…と若干の緊張感あるところ、さらに1作品はベテラン映像作家である吉雄孝則さんが監督と知り、なかなか話が違うのでは!と冷や汗が(笑)。しかし全て練られた演出で実に真面目に制作された、前乗りに感想を言いたくなる作品力に助けられ、大変刺激ある機会をいただくことになりました。
コロナ禍の影響もありますが、学校の課題と関係なく学生たち自ら完成までたどり着くとは、北海道において今や貴重。そして吉雄さん以外の『無鉄砲』『タナトス株』は女性監督作であることに加え、3作品ともアクション、ゾンビ、SFと、自主制作に多い所謂生きづらさなどを描いた「日常系」(それが悪いとは言っていない)とは程遠い作品であることにも驚きがありました。
吉雄さんの新作『PP』では、明らかに演出以上の何かが起こっているなと感じる映画力。たった一人で敵に立ち向かう姿を描きたかったという『無鉄砲』の巧みな劇伴とカット割りによるアクションの見せ方。コロナ禍の学生の孤独を上手く脚本に落とし込んだ、まさに同時代的と言えるゾンビ映画『タナトス株』。ゾンビの見せすぎない演出も良かった。
学生さん2名は特に、何から影響を受けて、どういった演出をカッコ良いと思っていて、いかに作品内で表現したいかを共有していったそうで、それが私に映画として明確に伝わったのですから、素晴らしいことだと思うのですよね。まず真似しようとして上手くいくものではないところ、すごく引き付けられたことは確かなわけですから。
今後、札幌でまた上映される機会があるはずですので、ぜひ足をお運びいただきたいです。悲壮感のない映画と、言葉を選びながら楽しそうに語る作家たちを見て、映画作りそのものがやっぱりお祭りなのだと改めて思いました。幸せな一日でした。