6月 5, 2023
紙の本に未来はあるのか 01
日本に本屋がなくなっていく、紙の本が売れない。そんな現実に「...
誰もいない静謐な博物館はいい。
赤茶けて埃っぽい空間に、先人が使った道具や装飾品が整然と並んでいる様は、時間の流れに逆らっているような不思議な感覚になる。
贈り物を買いに余市の海鮮商店を訪れたついでに寄ったよいち水産博物館。
余市の高台にひっそりと佇む古ぼけた博物館。
中には縄文、アイヌ、ニシン漁で栄えた近代の遺物が展示されている。
一つ一つの遺物はかび臭く、悲哀のある歴史を物語っているにもかかわらず、展示のそこここにハロウィンの装飾がされていて、そのギャップが何とも可愛らしく、人が文化をつないで生きていくというのはこういうことなのかもと微笑ましくなる。
時代の流れなのか、アイヌ文化の展示フロアだけが特別に照明が明るくフロアも整備されていたのが印象的だった。
博物館の展示にもトレンドがあるのだろうか。
しかし、シンと静まった空間の中では、縄文もアイヌもニシンも、僕にはそれぞれが時を遡る大事な入り口のようにみえた。